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Diverse技術研究所

Dating Scienceについて

米国におけるオンラインの出会いの特徴

米国と日本では文化的な理由などから、デーティングへの意識・行動は大きく異なります。双方の国の比較を行う前に米国のオンラインデーティングの特徴をスタンフォード大学”Searching for a Mate: The Rise of the Internet as a Social Intermediary ”を参考にお話しします。

・米国人の出会いの場所

この文献では1940年から2010年までの「異性愛者・同性愛者の米国人がどのようにパートナと出会ってきたのか?」がまとまっています。

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 左の異性愛者のグラフを見ると1940年代は「家族の紹介」、「小学校、中学校」、「友達を通じて」が最も多い出会いだったことが見受けられます。これから自身の所属しているコミュニティ外からパートナを見つけることがあまりなかったのかもしれません。それから70年後の2010年は「友達を通じて」、「バー/レストラン」そして「オンライン」が主流の出会い方になっています。

1995年にWindows 95の発売や世界最大級のデーティングサービス mach.comが誕生したため、同年をスタートにオンラインでの出会いが急速に普及しました。そして現在ではオンラインでの出会いがマジョリティになっています。

右の同性愛者のグラフを見ると1980年代は「友達を通して」、「バー/レストラン」そして「同僚」が主流だったことがわかります。そしてWindows 95が登場する前からオンラインでの出会いが増加し、わずか20年で70%近くの方が、オンラインでの出会いを経験するようになりました。オンラインでの出会いは現実では判断が難しい性的趣向も事前にわかるため、LGBの方達の指示を得て急速に発展していきました。そのため現在はGrindrのような同性愛に特化したサービスだけではなく、多くの有名サービスがLGB対応をしています。

・どの世代がオンラインを利用する?

米国ではオンラインデーティングのTV広告が流れていることもあって、広い世代に存在が知られています。それ以外にも理由はあるのですが、2015年の調査では59%もの人がオンラインデーティングで人と出会うことに対してポジティブだと感じています。

年代別にオンラインでパートナを見つけた経験を見ると、若年層では女性が男性以上にオンラインでパートナを見つけた経験が高く、30代中頃を過ぎたあたりで男性の使用率が女性を上回ります。そして、60代を超えたあたりでも、男性は20%以上、女性も10%以上がパートナをオンラインで見つけた経験があることがわかりました。現在はtinderやhinge,bumbleといった若い層に支持されるサービスが登場しているため2016年で調査を行うと、若い世代の利用率が上昇していると推測されます。

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・オンラインの出会いは幸せ?

オンラインでの出会いとオフラインの出会いには違いがあるのでしょうか?ノースウェスタン大学やテキサスA&M大学などの共同研究によると、オンラインで知り合った後に会うことは、バー/レストランでの出会いよりお互いのことを事前に知っているため、より魅力が増すことがあるようです。一方で対面時に期待値を超えられないと、それだけで魅力を損なってしまうことがあります。また、オンラインで出会ったとしても気に入らなければ、サービス上で次のデート相手を見つけることもできるため、出会いのサイクルが短いとも考えられます。

ではオンラインでの出会いは満足することができるのでしょうか?先ほどのスタンフォード大学の文献には、様々なカップルの満足度合いを1-5のリッカート度尺度でまとめています。

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すべてのカップルの平均値は4.47でした。最低スコアだったのは出会い方が「家族を通して」であり、最も評価が高かったのは「教会での出会い」でした。理由は定かではありませんが、家族を通すことでカップルに生じる問題に、家族が関係してくるなど、2人だけの問題ではなくなることがあるのかもしれません。それに対して、教会では宗教という価値観が揃っており、満足度が高くなっていると思われます。

オンラインでの出会いは4.51と平均値より高い値であり、同僚との交際と同じ満足度でした。一番上の図で異性愛者のグラフを見ると、最も多い出会いの場である「友人を通して(4.47)」、「オンライン(4.51)」、「バー/レストラン(4.47)」では、オンラインの満足度が最も高いことが判明しました。

・広がるコミュニティ外での出会い

 1940年代は自身が直接所属する「家族を通して」、「小学校・中学校」コミュニティでの出会いが一般的でした。それが現代になり、「オンライン」・「バー」などコミュニティ外での出会いが主流になりました。しかし、すべての人がそうなったわけでは当然なく、その人の属性により状況は変わっていきます。

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例えばある調査で、異性愛者の中で家族を通してパートナに知り合った人は18.2%、同性愛者の方は3.5%でした。それに対してネットを通して出会った異性愛者は17%で、同性愛者は41%も出会っていました。これは最も家族(所属コミュニティ)とオンライン(所属コミュニティ外)で差が出た分類です。他にも異なる人種や民族での出会いも家族を通してより、オンラインでの出会いの方が多い結果になりました。 

米国での出会いに関する調査を見ると、日本以上にオンラインでの出会いに積極的なことが伺えます。スマートフォンアプリの登場で使い方や利用率が変化していると予想できるため、このような調査をDiverse技術研究所でも積極的に行っていきます。